園長の部屋 第51回

ゴシュユ

ゴシュユ (別名:カラハジカミ)
  • 学名:Tetradium ruticarpum
  • 分類:ミカン科
  • シノニム:Euodia rutaecarpa, Evodia rutaecarpa
  • *シノニムとは同意語別名のこと。略してSyn.と表記することもある

中国原産の落葉低木です。江戸時代の享保年間に薬木として
日本に渡来したといわれていますが、平安時代には日本にあった可能性も
あるようです。

雌雄異株の木ですが、日本にあるのは雌木だけで、
雄木はない(ほとんどが雌木で雄木はほとんどない)とされています。
雌木だけも果実はできますが、受粉しないため種子はできません。
水戸市植物公園のゴシュユも雌木です。

薬用部位は果実で生薬名は呉茱萸(ごしゅゆ)といいます。
未熟な果実を採集し日干しにして利用します。

別名のカラハジカミは辛いハジカミの意味です(ハジカミはサンショウの古名)。
また、ゴシュユのことをニセゴシュユと表現する場合もあります。
これはホンゴシュユ(Tetradium ruticarpum var. officinale)に対して使われる表現です。
ゴシュユとニセゴシュユは同じ植物をさしています。

呉茱萸(ごしゅゆ)という生薬のもとの植物としては
ゴシュユのほかにホンゴシュユ
なども用いられます。

水戸藩にまつわる薬草について、
水戸藩の医療・医学との関わりにふれながらまとめた
水戸市植物公園の薬草ガイドがついに完成しました。
是非ご覧ください。現在無料配布中です。

薬草園近くの池の周辺は(植物館前の池周辺)は
ただいまラクウショウ(落羽松)の紅葉が見頃を迎えております。
植物館2階テラスからもご覧いただけます。ぜひご観賞ください。

  • 場所 薬草園
  • 更新日 2013年11月13日