園長の部屋 第47回
樹木園の薬草(晩夏)
ミソハギ

- 学名:Lythrum anceps
- 分類:ミソハギ科
- 生薬名:千屈菜(せんくつさい)
ミソハギは少し湿った所を好みます。エゾミソハギと似ていますが、
見分けるポイントは全体が無毛という点です。
薬草として利用される部位は全草で、
止血や下痢止めとしての効能があるとされています。
お盆の頃咲くので盆花とも呼ばれます。
ヒオウギ

- 学名:Belamcanda chinensis
- 分類:アヤメ科
- 生薬名:射干(やかん)
ヒオウギは日当たりの良い場所を好みます。
広剣形の扁平な葉を扇状につけることから檜扇(ひおうぎ)という和名がつきました。
薬草として利用される部位は根茎で、利尿、去痰の効能があるとされています。
黒く光沢のある種子ができ、「射干玉(ぬばたま)」「鳥羽玉(うばたま)」とよばれています。
むかし、黒い実には魔除けの力があると信じられていたそうです。
万葉集では夜や黒、髪などを導く枕詞として『うばたまの』が詠まれています。
コガネバナ

- 学名:Scutellaria baicalensis
- 分類:シソ科
- 生薬名:黄芩(おうごん)
コガネバナ中国北部~シベリア原産で、徳川吉宗の時代1726年に
日本に取り寄せ、小石川御薬園で栽培されたのがはじまりとされています。
薬草として利用される部位は根で、消炎や解熱の効能があるとされています。
漢方薬の処方でよく使われます。
コガネバナという名前ですが花は紫色で、黄色くありません。根が黄色いことから、
生薬名の黄芩(おうごん)、植物名のコガネバナがつきました。

- 場所 樹木園(ひょうたん池奥 下記地図をご参照ください)
- 更新日 2013年8月21日