園長の部屋 第13回
水面に映る秋色の影~ラクウショウ
植物公園では,いろいろな色の紅葉が次々にはじまり、段々と秋が深まっていきます。
紅葉のはじまりは、黄色~やさしいオレンジに色づく「カツラ」。
そして深い赤の「モミジバフウ」、グラデーションが美しいトウカエデ、黄色のイチョウと続きます。
そして、現在は、ひょうたん池周辺のラクウショウの紅葉が見ごろを迎えています。

ラクウショウの紅葉は、段階的に進んでいきます。
紅葉が始まった頃は、隣どうしの木、そして1本の木の中でも色づき方が違います。
そんな木々のグラデーションもこの木の紅葉の魅力と言えるでしょう。


ラクウショウ(落羽松)
- 学名:Taxodiumdistichum
- 別名:ヌマスギ(沼杉),ニレツバスイショウ(二列葉水松)
- 分類:ヒノキ科,ラクウショウ属
- 分布:アメリカ南東部
ラクウショウは別名に「ヌマスギ」とあるように,水辺を好みます。
普通の木は、根が水につかる場所では酸素が足りなくて生長が悪くなりますが,
ラクウショウは気根と呼ばれる根を空気中に出して呼吸することで克服しているそうです。

ラクウショウの近くに、まだ紅葉の気配のないそっくりな木があります。これがメタセコイアです。
メタセコイアは、中国原産の落葉高木で、ラクウショウより少し遅れて紅葉が始まります。
上の図では、これらの違いをわかりやすく解説します。
- 場所 植物館前ひょうたん池周辺
- 更新日 2011年11月2日